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7月27日 グリーン・グリッドフォーラム:液冷式ITの導入と廃熱再利用の最大化
スマートフォンが幅広く普及し、自動車、住宅、ウェアラブルデバイスなどのスマートシステムの接続が急増するにつれ、演算キャパシティとネットワーク帯域幅への需要が拡大を続けている。この10年間、ハイパースケールデータセンターをはじめとするデータセンターは、ラックの電力レベルを抑えながら、水平方向のデータセンターフットプリントの成長を追求してきた。こうした方向性に、一部、変化の兆しが現れつつある。たとえば、ソーシャルメディア企業が採用している仮想現実アプリケーションは、高電力GPUへの依存度を高めているが、シャーシやラックに高密度で搭載された場合、ラック電力が高騰し、効率よく空冷するのが難しい。この問題は、ハイパフォーマンスコンピューティング (HPC) の分野では、もう少し明白である。HPCアプリケーションでは、低レイテンシーが要求される。そのため、1つのクラスタに含まれるすべてのサーバ/ラックが互いに近寄っていなければならない。サーバ/シャーシ/ラック密度は、主にレイテンシーの制約によって決まる。ペタスケールからエクサスケールコンピューティングに移行していくと、データセンターのスペースと電力に限界がある以上、ラック電力密度の急上昇が続くものと予測される。さらに、CPU、GPU、メモリDIMMなど、演算デバイスの電力ロードマップでは、いずれも電力レベルの急騰が見込まれている。これに対処するため、データセンターでは液冷など、よりアグレッシブな冷却ソリューションが採用されつつある。本講演では、まず業界の現状を見直し、液冷の採用を促進している主な要因について考察する。次に、今日稼働中の大規模な一流データセンターにおける液冷の実施例をいくつか紹介する。また、液冷式データセンターにおける廃熱の採取と再利用を最大化する方向への動きについても説明する。