You are here
WP#48 - 無停電電源装置(UPS)のエコモードの評価
エネルギーコストが高騰し「グリーン」指向が強まる状況の中で、エネルギー効率の重要性が広く認識されるようになりました。エネルギー効率を引き上げるには、データセンター運営者が配電システム、特に無停電電源装置(UPS)などを見直す必要があります。
電力システムの効率を段階的に改善するために、データセンター運営者が利用できる選択肢は多くあります。通常これらの選択肢には、電源供給経路に存在する要素を取り除いたり移動させたりすることで、データセンターの運用のあり方を変え(たとえば配電電圧を上げるなど)、より効率の高い要素を採用することが含まれます。グリーン・グリッドのデータセンター成熟度モデル(DCMM)には、電力システムの効率を高める具体的な推奨事項がまとめられています。(詳細については、「付録E:データセンター成熟度モデル(DCMM)の電源セクション」を参照してください。)
本ペーパーでは、このような効率化のための選択肢の1つである、3相UPSのエコモード運転について詳しく検証します。交流(AC)UPSにはいくつかの運転モードがあり、その1つがいわゆる「エコモード」です。モードによって達成可能な効率とパフォーマンスのレベルが異なります。通常、エコモードは最も効率の高いモードです。
本ペーパーでは、データセンター用の3相UPSシステムについて説明し、より小さい単相UPSについては取り上げません。
エコモード運転は効率を向上させ、省エネルギーを実現します。パフォーマンスや信頼性を犠牲にせずにエコモードを導入するには、UPSのテクノロジーとパフォーマンス、重要な電力システムの構成、IT電源の瞬低耐量、商用電力網の信頼性について、ある程度の知識が必要です。
本ペーパーでは、データセンター運営者がUPSエコモードの基本概念を理解し、レベルIベストプラクティスとしてUPSエコモードの導入を支援するため、上記の各トピックとそのトレードオフについて検証します。図1に、DCMMにおけるエコモードUPSの位置付けを示します。